ジャズを誰が聴きにくるのか?
日本では誰がジャズを聴きにくるのか?
僕は1978年生まれだが、18歳までジャズという音楽を全くといっていい程知らなかった。はじめてジャズという言葉が意識に登ったのは、1996年春、新聞の死亡記事で『トニーウィリアムス氏51歳 ジャズドラム奏者』が目に入ったときだ。ジャズってどんな音楽?と思い、高校の近くの図書館でトニーウィリアムスの『ライフタイム』というCDを借りてみた。
そのときの感想は『意味不明の難解な雑音』だった。今思えば当たり前だが、いきなりフリージャズを聴いてしまったのだ。理解できるわけがない。
その後、大学でジャズ研に入ってオーソドックスなジャズを聴き始めても、『テーマがカッコいいいなあ、アンサンブルが決まっててカッコいいいなあ』というのは分かっても、
アドリブソロになると、??
『全部同じ?』に聴こえていた。
まるで、全く知らない国の言葉は、どれも同じにしか、聞こえないのと一緒で、ある程度その音楽言語に慣れ親しんでないと、ジャズを『楽しむ』ことは、できない。
じゃあライブハウスに誰が聴きにくるのか??
①まずは昔ながらのジャズファンの男女。
いまだに全国各地に熱心なジャズ好きなリスナーは沢山いる。
この人たちはおそらく、年齢層として50代後半から70代後半。いまや70代後半でさえビートルズ世代なわけで、、、この客層はあと20年もすれば居なくなってしまう。
②ジャズ研などでジャズを好きになった学生、その卒業後の社会人層
この人達は耳は肥えていて、こだわりも人それぞれだか、強力なジャズミュージシャンの理解者と言える。大学時代にビッグバンドやジャズバンドのサークルでジャズ演奏に親しみ、演奏活動を一生の趣味として継続している人も多い。
③ジャズはよくわからないが、社交の場として、ジャズバーなどに通う人達、ジャズミュージシャンとの、社交的な楽しみを求めて集う人々
伝統的なジャズ業界の顧客。余裕のある社会的地位にいる方達が多く、お洒落で落ち着いた雰囲気のアート空間で、音楽に耳を傾けたり、ミュージシャンと交流したりすることを楽しみたい人達。
④このネットであらゆる情報が溢れる時代、、
ふと聴いた、ジャズのサウンドや動画に惹かれて、ライブの場に足を運んでみるという、感性の持ち主。若者に多いかも知れない、、このような若者がどんどん増えていくように、ジャズ界全体として働きかけていく必要があると思う。
とにかく最初はわかりにくいジャズ、
①②③④どの客層にも訴えかけれる唯一の要素は『音色』と『グルーブ&スイング』だと思う。
聴きにくる人を楽しませらるかどうかは
この2つの要素が『突き抜けて』いられるかどうかにかかっている。
なぜそう思うといったら、
それは皆さんおわかりでしょう?
とくにミュージシャンの皆さんは
僕がそれを最初に思ったのは、
僕をジャズに引きずりこんだジミーコブのシンバルだし、野外ジャズフェスティバルのドキュメンタリー映画『真夏の夜のジャズ』で赤ん坊まで笑顔にさせるルイアームストロングのトランペットの音、。
ジャズの未来はジャズミュージシャンの力量と、人々のピュアな感性にかかっている。。
フィリージョーは言った。
『ジャズは危機に瀕していない。人々はいつだって、足をふみ鳴らし、手を叩き、音楽を楽しむのが好きなんだ。どんな時代になっても、演れる奴は演れる。それは続いていくだろうよ』

フィリーの言葉を信じ、
今日も練習だ!スイングだ!!