ジャズドラム名盤紹介①|『Smokin’ at the Half Note』Jimmy Cobbの4ビート

ジャズドラムを練習中の方に、ぜひ聴いてほしい名盤を紹介します。

第1回は、Wynton KellyとWes Montgomeryによる名盤『Smokin’ at the Half Note』。ドラムはJimmy Cobbです。

ドラマーはJimmy Cobb

ジミー・コブ(1929–2020)は、1958年にMiles Davisのグループへ加入。『Kind of Blue』をはじめ数々の歴史的録音に参加し、ハードバップ期を代表するドラマーとして活躍しました。Wynton Kelly、Paul Chambersとのトリオは、今なお語り継がれる名リズムセクションです。

25年前、僕をジャズへ引き込んだ一枚

今から25年前の1998年、冬から春にかけてのことです。アルバイトをしていたジャズ喫茶の常連さんから譲っていただいたレコードの中に、『Smokin’ at the Half Note / Wynton Kelly & Wes Montgomery』がありました。

初めて聴いたときの衝撃は、今でも鮮明に覚えています。

収録曲

Vol.1

  1. No Blues
  2. If You Could See Me Now
  3. Unit 7
  4. Four on Six
  5. What’s New

Vol.2

  1. Willow Weep for Me
  2. Portrait of Jennie
  3. Oh! You Crazy Moon
  4. Misty
  5. Surrey with the Fringe on Top
  6. Four on Six
  7. Impressions

空間を突き抜けていく4ビート

Jimmy Cobbが刻み出す、空間の中を永遠に突き抜けていくようなシンバルの4ビート。

そのとき僕は、「なんだ、これは!?」と思いました。4分音符という、こんなにシンプルなことが、なぜこれほどカッコいいのか。

この出来事から、僕はますますジャズにのめり込んでいきました。この“謎”を自分の身体で体感したい。自分もこのドラマーのようにスウィングしたい——そう思ったのです。

Jimmy Cobbがいなければ、ジャズドラムにここまでのめり込むことはなく、僕の人生はまったく違うものになっていたかもしれません。

練習におすすめの曲

No Blues

Vol.1の1曲目「No Blues」はシンプルなブルースで、Wesの見事な長尺のソロを聴けます。ドラマーなら、スタジオで大きめの音量で流し、マイナスワンのように使ってシンバルレガートを練習するのもおすすめです。

Unit 7/Four on Six

キャッチーなメロディを持ち、テンポは200BPM前後。軽快なビートでグイグイとスウィングします。

Impressions

Vol.2では、美しいバラードや小粋なスタンダードナンバーも楽しめます。圧巻なのは最後の「Impressions」。Wesが280BPM前後のアップテンポで、すさまじいプレイを聴かせます。

Wes Montgomeryは、John Coltraneからバンドへの参加を誘われたともいわれています。録音が残っていないため幻のサウンドですが、コルトレーンに引けを取らない豪快なプレイだったのでしょう。

このレコードから学んでほしいこと

シンバルレガートの本質は、ひたすら前へ、前へと空間を切り裂くように打ち出される4分音符です。

そこを意識して聴き、スタジオで音源に合わせてシンバルレガートを練習してみてください!


初出:note「Jazz Drum名盤紹介①」